生前贈与について

生前贈与とは

生前贈与とは、推定被相続人が亡くなる前に相続人等に財産を渡す(贈与する)ことで、相続時の対象財産を減らし、それによって相続税を減らすことを主な目的として行われるものです。

生前贈与を行う場合、贈与された財産に対して、相続税と比較して高い税率の贈与税がかかりますが、税金がかからない(控除される)制度も多く、様々な税制メリットを考慮して贈与を行うことが重要です。

ここでは贈与における注意点をお伝えさせていただきます。

生前贈与の注意点

生前贈与を行う際の注意点として、次の4点を確認する必要があります。

1. 贈与税と相続税の節税額の分岐点を確認しておくこと
2. 遺産分割時にトラブルとならないように注意すること
3. 贈与契約書を作成し公証人役場で確定日付を取っておくこと
4. 相続開始前7年以内の相続人に対する贈与は相続財産として加算されることを確認すること

以上の4点です。

生前贈与の方法

次に実際の生前贈与の方法を見てみます。

贈与税は暦年課税で、1年間に基礎控除額が110万円です。
つまり、年間で110万円以下の贈与については課税されず、申告も不要ですので、一番シンプルな生前贈与の方法だといえます。

生前贈与を活用した節税対策には、110万円の基礎控除を最大限利用することのほかに、配偶者控除を利用する方法があります。

条件は、婚姻期間20年以上の配偶者からの贈与であることと、居住用不動産または、居住用不動産を取得するための金銭の贈与であることです。

2,000万円まで課税価格から控除できます。

相続税は、【3,000万円+法定相続人数×600万円】という基礎控除や、配偶者税額軽減などの措置が取られているために、かなり多額の遺産総額の見込みがないと発生しないため、生前贈与などが税制上効果を生むケースはごく少数といえるかもしれません。

しかし、不動産を保持しており、預金もコツコツと続けられている家庭であれば、相続税申告が発生する可能性も大いにあります。

相続税対策として生前贈与を活用するには、まず推定被相続人の資産状況の把握が必要です。
生前贈与していても実は税金がかからない状況だった、ということになっては意味がありません。

一度財産の試算を行い、生前対策の効果を明確にしていただくことをおすすめします。

また、生前贈与で受けられる控除には様々な条件がありますので、贈与を進めてしまう前に専門の税理士にご相談いただき、最適な贈与の方法と金額、タイミングを押さえていただいた方がよいでしょう。

もちろん当事務所でもそうしたご相談に対応しておりますので、贈与をお考えの方はぜひ一度ご相談ください。